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私は新宿区在住の藤原ヒロユキといいます。
イラストレーターという本業の傍ら、ビールに関する著述、セミナーや講演活動を続けております。
貴殿のサイトを拝見し、BBSでのやりとりを読み、いくつか思うところがあり書き込みをさせていただきます。長文のほどお許し下さい。最後までお読みいただければ幸いです。
まず、貴殿が数多くのビールを飲んでこられたことに敬意を表します。そしてその記録をまとめておられることの情熱には感服いたします。
確かに、ビールは“知識”で飲む必要はありません。楽しく飲むものです。
しかし、それを評価し、公共の媒体で何らかの評価をなさるためにはそれなりのバックボーが必要ではないでしょうか? ビールに対する知識と一貫性のあるテイスティング方法と客観性のある評価が必要だと思います。
BBSを拝見すると「専門用語を並べ立てたり、普遍的評価を押しつけたりするページは作りたくないし、そういうものは専門家に任せておけばいいのであって」とおっしゃっていますが、貴殿はすでに専門用語のような言葉を並べ、専門家然とした文言を並べていらっしゃいます。
ビールを評価して公に発表するのなら、「独断や偏見に偏った部分もありますが」という前置きを免罪符にせず、責任と客観性を持ち発言なさることをお薦めします。
もしくは、(独断と偏見を貫きたいとおっしゃるなら)解説めいた文言は書かず、いっそ潔く「好き」「嫌い」といった主観的な大別でよろしいのではないでしょうか?
「ビールを愛する気持ちだけで作りました。」という主旨なら、独断と偏見というただし書きがあったとしてもそれで風評被害をうけるビールが生まれることは不本意ではありませんか?
また、これだけ多くのビールの評価を掲載する責任を背負うためにもハンドルネームではなく実名でのサイト作りをなさってはいかがかと思います。評価される側のビールは商品名をつまびらかにされているわけですから、それをジャッジする側が匿名ではアンフェアーではないでしょうか? そうでないとビール側も反論が出来ないと思います。
言論の自由や匿名性の意義に関して、国家や体制に対しては貴殿のおっしゃるとおりですが、商品やメーカー(突き詰めると醸造家という個人)を匿名で評価したり批判することは社会的責任のある行為とは思えませんが、いかがでしょうか?
逆に言うと、これほどまで多くのビールを飲まれて、そのテイスティング結果を公表しようとなさり、「ビールを愛する気持ち」をお持ちの貴殿がなぜ「知識に基づいた客観的テイスティング」をなさらないのか疑問です。いくつかのビールに関しては、なかなか的を射た鋭いコメントもお見受けします。これだけの経験値をお持ちですから、さらに素晴らしいサイトになるのではないでしょうか?
なお、老婆心ながら、ここだけは訂正なさったほうがよろしいのではないかと思う箇所を後記します。
ビットブルガー(ドイツ)に対するコメントに関してですが
「缶に「KLASSISCH HERB」と書かれており、ドイツ語 は良く分からないが、たぶんハーブが使用されているという意味だろうと思われるので、そのハーブの味なのかも知れない。」
に関してですが、ビットブルガーにハーブは使用されていません。ドイツにはビール純粋令という法律があるのでピルスナーにハーブは使用できません。KLASSISCHは英語のCLASSICにあたり、 HERBはSHARPです。CLASSIC SHARPですから”古典的でキレのいい味”とでも訳すのが適切かと思います。
ケーニッヒ・ピルスナー(ドイツ)に対するコメントに関してですが
「飲み口は他のドイツビール同様、今一つすっきりしない感じを残すものである。外国ビール特有の的の外れた感じがこのビールの印象を今一つ良くないものにしている。後味にはビールの苦味とは違う、一種独特の不快な苦味を残す。しかもそれが何時までも舌の上に残り、苦味を感じる舌の両サイドを刺激し続ける感じが不快である。」
”何時までも舌の上に残り、苦味を感じる舌の両サイドを刺激し続ける感じが不快”とありまが、これは明らかに、苦みではなく渋みを感じている状態です。渋みは酸化によるものと推測されます。現在のビール造りにおいて、舌に残るほど高い酸化が出たビールを出荷するとは考えづらく、ビール本来の問題よりも輸送や保管の状態が悪いために酸化したと考えるべきでしょう。このようなビールに対するコメントは、液色や透明感などの部分から良いところを引き出した上で酸化に関するコメントを付け加えるべきでではないでしょうか? たとえば”ピルスナーらしい透明感ある黄金色が美しい。本来、良いビールだと思われるが、保管状態が悪く酸化しているのが残念だ”ぐらいが貴殿のおっしゃる、ビールを愛する気持ちではないでしょうか? また、 ”他のドイツビール同様、今一つすっきりしない感じ”や”外国ビール特有の的の外れた感じ”とは具体的にどのようなものでしょうか? お教えいただければ幸いです。
レフ・ラデューズ(ベルギー)に対するコメントの「トラピスト・タイプの特徴の一つである渋味の中にある甘味は押さえれていて、パワフルなコクが楽しめる仕上がりになっている」ですが、レフ・ラデューズはトラピストではありません。また、トラピストはトラピスト会の教会で造ったという統制呼称で、ビール・スタイルを表す言葉ではありません。なので、味や香りや色やアルコール度数に決まった特徴はありません。それぞれがそれぞれの味わいです。ですから”トラピストの特徴”という言葉に戸惑います。さらに、”渋味の中にある甘味”という文言ですが、渋味は口全体で感じる刺激(触覚)で、甘味は味覚です。渋味の”中”に甘味は存在しません。
また、渋味は本来ビールにあってはならに風味です。醸造家はビールに意図的に渋味をつけることはありません。貴殿のコメントには「渋味」という表現が他にも多く出てきますが、醸造家にしてみれば、すべて悪評と感じていると思います。
ブランシュ・フードロワイヤント・ド・ブラッセル(ベルギー)に対するコメントに「飲んで直ぐにトラピスト・タイプと分かる味わいを兼ね備えている」とありますが、ブランシュ・フードロワイヤント・ド・ブラッセルはトラピスト・ビールではありません。ベルジャンスタイルのホワイトエールです。オレンジピールやコリアンダーなどのスパイスが使われた爽やかな小麦ビールです。なお、トラピスト会の醸造所でホワイトエールを造っているところはありません。
○銀河高原ビール・白ビールに対するコメントに「それにウィーンビール特有の舌先にヌルッとした感覚が残る。」とありますが、銀河高原・白ビールはウィーンビール(ウィンナー・スタイル)ではありません。ウィートビールの打ち間違いではありませんか?
なお、以下の解説に対してですが、具体的にどのような感じなのかもう少し詳しくわかりやすくお書きいただけないでしょうか?
お手数ですがもう少し解説いただけないでしょうか?
○三陸海のビール
外国ビール、特にアジア系ビールに特有の香りがある。その飲み口は国産大手メーカーの代表的なラガービールに特徴的な辛みはなく、むしろ“水”そのものの持つ味覚を前面に出そうとした造りになっている。
*アジア系ビールに特有の香りとは? 国産大手メーカーの代表的なラガービールに特徴的な辛みとは? “水”そのものの持つ味覚とは?
○奥州仙台支倉常長麦酒
「ピルスナー」特有の麦芽の薫りを含んだ匂いがして、その飲み口はピルスナーにしては若干舌に残る違和感が気になる。
*ピルスナーにしては若干舌に残る違和感とは、どんな感じなのか? 苦味なのか、甘味なのか、酸味なのか、渋味なのか?
○エチゴビール・ヴァイス
その飲み口は副原料のものと思われる若干ヌルッとした舌触りがちょっと気になる。麦芽使用率が少ない分、いろいろと味を整えようと試みているのであろうが、地ビール初心者にはちょっと馴染めないかも知れない。
製造者/上原酒造株式会社。330ml瓶。原材料/麦芽、ホップ、コリアンダー、オレンジピール、ジンジャー。麦芽使用率25%以上50%未満。
*副原料のものと思われる若干ヌルッとした舌触りとは、どの副原料が生むと思われるのか? なお、コリアンダーやオレンジピールなどはベルギーの小麦ビールに使われる伝統的な原材料であり、麦芽比率による味の変化を整えるためのものではありません。
○エチゴビール・有機栽培プレミアムビール
麦芽の放つ香りが十分にしてその飲み口は標準的な「Organic」ビールの飲み口である。
*標準的な「Organic」ビールの飲み口とはどのような味わいなのか?
○伝説のビール職人 小江戸ブルワリー
後味にヨーロッパビール特有の飲み口の悪さが微かに残るが
*ヨーロッパビールのどのような部分がどのように飲み口が悪いのか?
○常陸野ネストビール・スタウト
その飲み口は水に気を使っているせいかスタウトタイプにしてはすっきりしていて妙な甘さが残らないところがいい黒ビール特有の渋みを含んだ苦みもしつこさはなくさらりとしている
*黒ビール特有とはどのような味わいなのか? それが渋みを含んだ苦みなのか?
○オゼノユキキドケ・ブラックバイツェン
微かに麦芽の放つ香りがして、その飲み口は色合い同様あっさりしていて、ヴァイツェン特有のヌルッとした感覚
*ヴァイツェンはヌルッとした感覚が特有なのか?
○銀河高原ビール・ドイツクラシック
Classic。確かに高級な素材で造られてはいるのだが、ドイツビール本来のもつ、純正を追い求めた故の飲み口の悪さも拭いきれない。
*ドイツビールのどのような部分がどのように飲み口が悪いのか?
○パオパオビール
PaOPaO BEER。一口飲んだ感想はまるで輸入ビールのようだと思った。国産大手ビールメーカーに特徴的な辛みは全く感じられないし、缶入りなので酵母による熟成した味覚もない。
*輸入ビールのよう、国産大手ビールメーカーに特徴的な辛みとはどのような風味なのか?
○独歩ピルスナータイプ
地ビールらしい一種独特の香りを有する。その香りは乳製品のドリンク・タイプによく見られる発酵臭のようなものがある。またその飲み口にも香りと同様に独特のものがある。日本のビールに特有の辛みも殆どなく、既存の国産ビールに慣れている人にとっては飲み辛いかも知れない。
*地ビールらしい一種独特の香りが乳製品のドリンク・タイプによく見られる発酵臭のようなものなのか?
○ケイズブルーカンパニー ザ・ブラウマスター
その飲み口は炭酸の刺激の中に副原料の糖類のものと思われる処理しきれなかった苦味が感じられる。
*糖類を処理しきれなかったものが苦味となるのか?
貴殿は「専門用語を並べ立てたり、普遍的評価を押しつけたりするページは作りたくないし、そういうものは専門家に任せておけばいいのであって」とおっしゃりつつ、貴殿自身が作り上げた個人的専門用語を使い専門家然とした言い様をなさっていると思います。それは少なからず読者に影響を与えていると思いますし、傷ついたり風評被害をこうむるビール醸造家や輸入業者がいると思います。
繰り返しになりますが、これほど多くのビールを飲み、記録を重ねる作業は素晴らしいと思います。だからこそ、スタイルやテイスティング法をきっちりと勉強してコメントなさってはいかがでしょうか?
そのうえで、専門用語を使わず、普遍的評価を押しつけず、専門家とは違った切り口で表現をなさるのは素晴らしいことだと思います。
これからも「ビールを愛する気持ち」を大切にした、サイトを期待しております。
長文で失礼いたしました。
http://www.goyard-club.com/fujiwara_blog/
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